My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2014/12/23

ずっと、あなたと生きていきたい


「님아, 그 강을 건너지 마오 愛しい人よ、その河を渡らないで

最後はまた二人きりに戻ることができるんだな。そんなことを思った映画だった。


今、韓国で話題の映画をドンちゃんと鑑賞してきました。
「님아, 그 강을 건너지 마오」、日本語では「愛しい人よ、その川を渡らないで」と訳そうと思う。川とは、日本でいう三途の川、つまり「死なないで、あなたとずっと一緒にいたい」というメッセージがこもった題名といえるでしょう。

これはドキュメンタリー映画。江原道の田舎にひっそりと二人きりで住む89歳の少女みたいなおばあちゃんと、98歳のロマンティストのおじいちゃんの夫婦に密着した映画です。

2011年にKBS放送の人気ドキュメンタリー番組である「인간극장」がこの二人の密着映像を五回に渡って放送し、それが反響を生み、その後の二人を追ったという形で映画化されたみたいです。映画もとても話題を呼んでいます。

なぜ、一般人の老夫婦がそんなにも注目されるのか。

それは、この二人を見ればわかります。ものすごく仲が良いんです。結婚して79年にも関わらず、新婚夫婦みいたいに仲良し。是非、映像で確認してほしいです。私の言葉では伝わらないぐらい仲睦まじい二人。

ドキュメンタリー番組はyoutubeにありました→

映画の予告編やこちら→



いつも二人いっしょ、歩くときは手をぎゅっとつなぎ、お揃いの韓服をきてお出かけし、おばあちゃんが夜に外にあるトイレに行くときはおじいちゃんもいっしょについていき、怖くないように待っている間に歌を歌ってあげたり、おじいちゃんがおばあちゃんの冷えた手をほ~っといって温めてあげたり、雪合戦したり、ちょっかい出しあったり・・・おばあちゃんが「私は老いてしまったけれど、あなたは全然老いないわ」とおじいちゃんに言ってあげたり、何でもない二人の毎日なのですが、胸に響くものがありました。




映画ではその後の二人、おじいさんが亡くなってしまうまでの、二人で過ごした最後の日々たちが記録されていました。


映画を観て思ったことは、まず、「私たちはこれでいいんだ」ということ。

おじいちゃんとおばあちゃんはお互いとても愛し合っているだけではなくて、助け合ってもいるんですね。色んな場面で相手を思いやる気持ちを感じることができました。でもそこには、「やってあげる」という気持ちや自己犠牲の精神が一切ないのです。相手を自分と同じものとして考えている、だからこそ当たり前に自然に相手に尽くしている二人を見ることができました。

結婚して1年半、の夫婦が79年間連れ添った夫婦と同じだとは言えないかもしれないけれど、でもこの二人を見て、私たちと同じ精神だね、と思ったのが正直な気持ちです。同じように、仲良くヨスで暮らしている私たち。特に頼れる知りあいがいるわけでもない、二人しかいないからこそ、私は彼、彼は私、でお互いを思いやりながら生活してきましたが、この二人をみて、「私たち、間違っていなかったね」と自信になりました。

あとはおじいちゃんもおじいちゃんもお互い、ため口ではなく丁寧な言葉づかいをしていること。私たちもお互い、ため口ではなく、「です、ます調」の丁寧な言葉づかいを使ってるので、このままずっとこれでいきたいな、と思いました。



次に思ったこと。「幸せは物ではない」ということ。

夫婦でお互い愛しながら仲良く暮らせることが、どれだけ幸せなことなのかを感じました。他の夫婦よりも特別な場所に旅行できるとか、他の夫婦よりもおしゃれで良い家に住んでいるとか、他の夫婦よりも素敵な物をたくさん買えるとか、そうゆうのに憧れる必要はまったくないんだなと。

プラス、おばあちゃんがおじいちゃんが亡くなる前後に、お揃いの韓服やおじいちゃんの遺品をすべて自分の手で燃やすんです。「この服はむこうで寒くなった時に着てください」といいながら。これを見ながら、ピクサー映画の「up」を思い出しました。そこではおじいちゃんが最後の最後におばあちゃんとの思い出がたくさんつまったお家を手放すんですね。その精神と同じだなって。物を所有することにこだわらない、大事な大事な思い出は胸のもっと大事なところにあることを知っているからこそできることだと思いました。記憶していればいいんだってこと。もしかしたら、燃やすことが慣習なのかもしれないけれど…でもだとしたらその慣習は素敵だなと思う。

今の私だったら、できない。きっと、遺品にしがみついてしまうのかもしれない。




最後に、「人生の最後はまた二人きりに戻ることができる」と思いました。

子供ができて家族が増えて、でも最後は二人きりになるんだと改めて感じました。それを考えると夫婦にとって、子供が出来て、子供を育てて、独り立ちさせるということは、一つの長い旅なのかなって思った。最後にまた二人きりになることは、長い旅を終えて「お疲れ様、また初めの私たちに戻ったね」ということになのではないかな。ということは、今、二人きりの新婚生活は旅に出る前の、いわば旅支度の期間。長い旅に備えるために、今の二人でしかできないことをしたり、色んなことを話したりして、絆をもっともっと深めていくすごーく大事な時期なんだなと思った。


と、色んなことを考えるきっかけをくれた映画でした。映画自体はナレーションもなく、情に訴えるシーンもなく、淡々としていて、でも涙なしにはみれない映画。悲しいけれど、別れはくるのだから、ドンちゃんと二人で過ごす今この瞬間がどれだけ大事なのかをしっかりと感じながら、日々を行きたいです。


オススメです

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