My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/05/14

手がかり








今日は見事な晴れ。朝から張り切って洗濯物を干し、外に出て息を吸ったら、空気の中に余計なものがなく澄んでいることがわかります。散歩道から見る海もシアン色に輝き、緑陽ごしにキラキラと光っています。これに群青色を足したら、セルジューク朝の陶器になるのかな。(ニューヨークのメトロポリタン美術館で先日から開催されているcourt and cosmos展に行きたくてたまらない。カタログだけでも買おうかと。

いつもこの海の先には日本があるのだと思っていました。日本の家族や友人が恋しい時、私の視線の先には日本があるのだと励ましながら、海を眺めていました。でも実は違っていたことに気づきました。地図で確認すると、この先は、沖縄と奄美大島の間を通り越し、インドネシアのマルク諸島あたりにたどりぶつかります。この事実を知った時、私の母国への想いはインドネシアに向かっていたのかとびっくりしたと同時に、なんだかすごく嬉しい気持ちになりました。

というもの、大切な友達のインドネシア留学が決まったから。彼女の努力が実ったということ、彼女が勇気を出して人生の新たな門出に立ったということに私はものすごく励まされました。自分が見つめる海のまっすぐの先にインドネシアがあるということは、彼女と私の繋がりでもある気がして嬉しかったのです。この海を見るたびに私も頑張ろうと思えるのです

大切な友達が自分の道を切り開いていく姿は、自分の中の焦りやざわついた気持ちをゼロにしてくれて、むしろ前向きなものに変えてくれるということを今回改めて実感しました。止まっているのではないかと自分に怖くなる時もあるけれど、私も少しずつ進んでいるんだと思わせてくれる。そんな前向きな気持ち。ああ、早く会いに行きたいな!

写真は今週習った新しい技法。韓国語で면치기という、面を削り、外側に触れずに内側から膨らませて成型する方法。

こうゆう新しい技法を学ぶたびに、形の美しさとして現れる前のもしくは美しさのその素となっている、「韓半島特有の美意識」というものを理解する手がかりを得ている気がします

その国の美意識は理解しようとしてもなかなか難しい。日本の「もののあわれ」「無常観」の美意識を他の国の人たちが理解することが難しいここと同様に。それについての説明を言葉で聞いてもイマイチ掴めない。だから、技法とか、色とか、大きくいえば歴史とか、気候とか、そういった色々なことを手がかりにして、それに近づいていかねばと思う。手がかりは多ければ多い方がいい。

いつか自分の言葉や自分の技術でそれを表現したいことはもちろん、せっかく韓国に住んでいるんだからその深い部分まで見てみたい、という自分の知的好奇心のためにも。


と、そんなことを思いました。インドネシアに続く、この青い海を見ながら。



にほんブログ村 海外生活ブログ 韓国情報へにほんブログ村

人気ブログランキングへ




0 件のコメント:

コメントを投稿