My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/10/27

おうちで韓国ごはんーごぼうとレンコンを使ってー


疲れた日は、寝る前にビールを飲みながら、二人で日本のバラエティー番組を見ます。韓国語の字幕があるアメトークガキの使いの古い回が定番。

ドンちゃんはガキの使いの山崎邦正がお気に入りで、私が笑わないところでも結構笑う。どうやら山崎邦正自身にウケるわけではなく、周りの雰囲気をひっくるめて(すべり芸っていうのかね?)が彼がとにかく面白いらしい。ちなみにこの前、山崎邦正に対してよりも大爆笑してウケていた芸人さんがいました。。。

林家パー子(爆

林家パー子が高笑いするたびに、ドンちゃん大爆笑。手を叩いて、破顔。私は全然笑えなかったので、横でびっくり。

お笑いの「どこ」で笑うのかというのは、国柄や地域性、個性が出るので、結構面白い視点だなって思う。日本語字幕をあまり気にしないで、日本のバラエティーを見ているドンちゃんにとっては、文脈的な面白さよりは、行動や行為といった視覚的な面白さの方が笑えるのかな、って感じました。韓国のお笑い自体、後者の面白さが圧倒的な気がします

ま、でも今週からはNBAが開幕したので、しばらくはお笑いは封印。





さて、前置きが長くなりましたが、この間、ごぼうとレンコンを使って、チャンアチを作りました。チャンアチとは韓国風の醤油漬けのことです(コチュジャンを入れるときもある)韓国の家庭では定番のおかずで、一口で「チャンアチ」といっても、様々な材料を漬けるのでかなり多様です。

ドンママも季節によって、色々なチャンアチを漬けます。春は丸ごとのニンニクやニンニクの茎、夏はエゴマの葉や唐辛子、冬は大根といった具合に。旬の野菜をギュッと瓶に詰めています。

秋の定番はごぼうとレンコン。この間、ドンちゃんの実家に行った時にこれがとっても美味しかったので、レシピを聞いて私も作ってみました。

が、作り方が思っていた以上に複雑。

まずレンコンとごぼうを水にさらした後に、生のまま瓶に詰めて、熱湯で作った塩水を注いで、そのまま数日間置いておく→数日後、塩水だけ捨てて、その中にチャンアチ液を注ぐ→数日後、チャンアチ液だけ取り出して鍋で沸騰させて、また瓶に注ぐ→これを繰り返して、数週間熟成させて完成。

って、この過程はさすがに無理!

作ってすぐに食べたかったので、私なりにアレンジ。とういうか簡略化しました。レンコンやごぼうは水にさらした後に、さっと茹で、沸騰させたチャンアチ液に漬けて、完成(超簡略化)でも、充分美味しくできました。

チャンアチ液は水:砂糖:お酢:醤油が1:1:1:1.5が基本。これにドンママのアドバイス通りに梅シロップを入れアレンジ。とってもフルーティーで味に奥行きが増したのでオススメです(梅シロップ入れるときは砂糖の量を調整)

ドンママみたいに季節ごとにチャンアチを漬けるぐらいになりたい。手始めに、今年の冬は大根を漬けようかな?






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2016/10/24

おうちで韓国ごはんー鶏肉でー

月曜日の朝。

窓を開けたら、思わず「うわっ寒っ」と言ってしまう寒さ。緩くない、ピリっとした空気。そろそろ11月だから当たり前だよね、とドンちゃんと話したものの、秋が足早で通り過ぎてしまうようで、惜しい。

毎朝淹れる熱々のコーヒーが冷めていく時間も、いつの間にか早まっている気もする。この間、秋冬用のパジャマを出したばかりだけど、近々それに羽織る分厚い半纏も出さなくちゃ。。。と、思う朝でした。

さて、この間のポスト「鶏肉を買ったら」で、ゴロゴロと丸ごとの鶏肉を買ったら、部分別、料理別に分けて処理する、と書いたのですが、この間は一気に使い切りました。「タッカルビ」という韓国料理を作ったのです。

タッカルビとは鶏肉を甘辛いコチュジャンがベースのタレに漬けて、野菜と一緒に鉄板で焼いて(途中蓋をして蒸し焼きにする)料理。韓国では全国展開をしているタッカルビチェーン店があり、どこにいても気軽に食べることができます。

でも、せっかくだから家で作りたいねということで、週末にドンちゃんと作ってみました。




まずは色々な部位の鶏肉をコチュジャンベースのタレに漬け込みます。このタレ、予想以上に辛く作ってしまい、炒めながら水を加えて薄める羽目に。。コチュジャンで作るヤンニョンの甘辛い塩梅って本当に難しい。




野菜はキャベツたっぷり。さつまいもも忘れずに。他には荏胡麻の葉を入れるのですが、そこまで好きではないんで、入れず。




鶏肉を炒めたら、さつまいもも一緒に入れて、蒸し焼きにします。キャベツはその後に入れて、さらに蒸し焼きにして、火が通ったら完成。我が家はラーメンの麺と、最後にチーズも投入。




お鍋ごと食卓において、いただきます。





普段、ご飯と一緒にビールは飲まないのですが(ビールタイムは寝る前)、この日はビールも一緒に。鶏肉はふっくら、美味しいかったです。何よりも美味しかったのが、さつまいも。この味付けにさつまいもは抜群に合うと思う。ビールと一緒にガツガツ食べました。が、どう考えても二人分ではない量だったので、半分はタッパーに保存し次の日の夕食へ




ちなみに、週末ごはん繋がりでもう一枚。この日はドンちゃんがキムチジョンに初挑戦をしたのですが。。。





それがゴムのようだった。全然、噛み切れない、ものすごい弾力性。二人でこの料理をキムチゴム、と名付けました(爆

どうやら、拾ってきたレシピに「片栗粉」と書いていたようで、小麦粉と片栗粉を1対1の割合で入れたそう。そりゃあ、ゴムになるよ。超ホラー。


と、時には失敗したり、美味しくなかったりもするけれど、作る前のワクワクと、美味しかった時の充実感は、何にも代え難いもの。美味しそうだ!って期待する気持ちは、とてもリアル。だから、週末の挑戦はやめられません

次は何に挑戦しようかな。

おまけ




タッカルビで使ったさつまいもで、焼き芋を作ったよ。




ホクホクでおいしかった。



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2016/10/22

お誕生日のエッセイ


今年の誕生日は、ドンちゃんから一編のエッセイを贈ってもらいました。ドンちゃんが私をテーマにして書いたもの。いつもお手紙だったので、少しびっくり。でも、とても嬉しかった。

そのエッセイでは、光を分散させるガラスの多面体「プリズム」を私に喩えて、言葉を綴っていました。

彼女はプリズムによく似ている

どんな事象が来ても、彼女らしい、多彩な解析をする
本質を最初に見極め、彼女独自の方法で、物事を見るのである

これは 純粋なガラスの現象を走るプリズムが 多様な色を生み出すということであり、
彼女はこれと素晴らしく一致する


と、すべての内容はここには書けないけれど(こっぱずかしい)彼らしい発想の元、彼らしいロマンチックな表現を使ったエッセイでした。彼の眼に映る私というものがよく見えた気がするし、何よりも私を見るその眼差しの温かさを感じました。

最近、人は受動的に生まれてきたからこそ、人と人との関係の中でしか自分の存在根拠を感じることができない生き物だよな、と思うのです。そう考えたとき、常にそのままの私を見返りなく愛してくれるドンちゃんこそが、私の存在根拠を作ってくれているんだよな、と感じます。

と、エッセイだけではなく、もちろん(笑、プレゼントももらいました。「何がほしい?」と聞かれていたのですが、先月の記念日のサプライズでも素敵なものを贈ってもらったばかりであったし、「うーん」と悩んだ末にリクエストしたのが、これ。




池澤夏樹が個人編集した世界文学全集です。弟の本棚にあるのを見てから、ずっと欲しかったんだけど、1冊がなかなか値がはり、なかなか買う機会がなかったのです。

が、誕生日だし、30巻全巻は無理だけど(9万円)、10冊ぐらいなら!と思い、熟考の末に

コンラッド「ロード・ジム
カプシチンスキ「黒壇
カフカ「失踪者」ヴォルボ「カッサンドラ
ナボコフ「賜物」
エリアーデ「マイトレイ」モラヴィア「軽蔑
ディネセン「アフリカの日々」チュツオーラ「やし酒のみ
フラバル「私は英国王に給仕した
ニザン「アデン、アラビア」ルオー「名誉の戦場」

日本文学全集から

大江健三郎
近現代詩歌

選び抜いたのでした。このリストを読んでも、我ながら偏りがあるというか、辺境の地の作家が好きだな。。。とつくづく思う。。

この中で特に楽しみなのは、ポーランド人の作家カプシチンスキがアフリカについて書き上げた「黒壇」と、原典からの初邦訳であるロシア人作家ナボコフの「賜物」と、インドを舞台にしたルーマニア文学のエリアーデ「マイトレイ」と、アフリカを舞台にしたデンマーク文学のディネセン「アフリカの日々」と、中欧文学の巨匠であるフラバルの「私は英国王に給仕した」です。




ちなみに、本の装丁も、とても気に入っていて、




自分の本棚に並べて、うっとりしています。ああ、美しい。。。いつか必ず全集集めよう。

本が好きだけど、なかなか簡単には手に入らない環境にいるので、こうやって一気に買って、読みたい本を自分の身近に置くことは、何よりの贅沢です。

ドンちゃん、ありがとう。(エッセイも、爆

最後に、私のお誕生日にドンちゃんに電話をかけたドン爺(ドンちゃん祖父「shiinaの誕生日だね、shiinaを大切にするんだぞ」と、ドンちゃんに声をかけたそう。胸に響きました

ドン爺、ありがとう!






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2016/10/20

安東河回村 北村宅




前回の続きになります。

安東の河回村で一泊した北村宅(和敬堂)とは、約210年以上前に建てられた両班の古宅(韓国では古く伝統ある家を古宅という)で、210年前そのままの姿をしています。河回村の中でも、当時の姿そのままに残しているのはここだけで、全国でも4軒しかないんだそう。どこも、床暖房を入れたり、一部をリノベーションするそうです。

韓屋には名前があり(屋堂という)和敬堂とは代々のお父さんたちが住んでいた建物の名前です。お祖父さんが住んでいた別棟である北村幽居。写真だと右の建物です。北村宅とは「村の北にある宅」という意味で、ここの総称です。

この北村宅に代々住んできたのがこの土地の両班である柳氏家。朝鮮王朝時代に有名な性理学者や歌人を輩出した、由緒正しい名家です。オーナーはその末裔である70代の方で、教養と気品に溢れ、物腰も柔らかく、会った瞬間から私とドンちゃんは惹きつけられました。二人で「かなり素敵な人だねえ」と。一晩、いや一代では決して身につけることのできない品の良さをヒシヒシと感じました。私たちが泊まった日は他の宿泊客がいなかったため、ゆっくりとオーナーとお話をすることができました。これはとてもラッキーだったな、と今思います。到着日はKBSの取材班がいて、一生懸命撮影をしていました

オーナーはもちろん、北村宅の建物や雰囲気もものすごく素敵。当時からの歴史と暮らしが息づいており、気品が隅々まで宿っていました。韓国の美しさが凝縮された空間。



↑これが建物の中に入って行ったときの映像です。中央に庭を置いた「口」字型で、台所、板の間、女性たちのお部屋があります。






↑私たちが泊まったのは入って左側のお部屋。代々のお祖母さんたちが使っていたそう。この部屋の廊下だけ手すりがあるのはそのため。モシ(麻)の色合いが素敵。



↑丸く整った柱


↑河回村は仮面が有名


ここは韓屋としては珍しい2階建だそう


板の間に飾られていた陶磁器は白磁。おそらくオーナーの奥様(美しい方だったのチョイスなのかな。



↑韓服の時に履くコッシンと同じ形をしたゴムスリッパ。


↑籠がかわいい


↑こちらは台所



↑台所は今は使われていません。建物を保存するため、オンドルを別にし、ここでは一切火を使わないそう。


↑これでまめを挽いて、お豆腐を作っていたのかな。。。と想像。


韓屋でのんびり過ごしたかったので、夕方早めに帰りました。日が暮れた後の韓屋も素敵。







部屋に入るとじんわりと床が暖かい。オーナーが蒔きをくべて温めてくれていました。これぞ、本当のオンドル。









↑その場面も一緒に見学。仕組みやオンドルが持つ機能を色々と聞きました。ちなみに蒔きは참나무(辞書ではブナ科の総称を言うらしい)でなくてはいけないそう。他の木と比べてススがでないため。もちろん、その分値段も高くなってしまうみたい。





床下暖房があるので、韓屋全体は少しだけ高い位置にあります。↑なので縁側も高め。夜は部屋から縁側に出て、ドンちゃんと話しながらお庭を眺める時間がとっても良かったです。私も、この縁側が欲しい。朝起きた時も、ここに座って、鶏の声を聞いていました。

窓を開けた時に、そこが自分の好きな景色である家に住みたいと、最近切実に思う。。。





ちなみにオンドル、朝もオーナーが火を燃やして温めてくれていました。ここは入り口あって、全体を温めることができる焚き口。





Shiinaさん(@shiinayyy)が投稿した動画 -


↑朝の映像です。6時半ぐらいに撮ったもの。煙突からモクモクと煙が出ています。静かな静かな朝。

朝のお散歩を終えた後は、お待ちかねの朝ごはんの時間。ここのオーナーが所有する藁ぶき屋根のお家に行き頂きました。





オーナー曰く「田舎のごはんです」、とのことですが、ものすごく美味しかったです。安東の味付けは塩辛いことで有名なのですが、ここは薄め。食べたかった安東名物塩サバも頂けました!何より、真鍮の器にうっとり。我が家も一式揃えようかな。。。


朝ごはんを食べた後はオーナーと一緒に北村宅ツアー。代々受け継がれてきた家具や日用品から実際の建築方法に関する話まで、実際に目にしながらオーナーが説明してくれました。






別棟である北村幽居も開けてくれて、見学しました。昔使われていたという韓薬を入れていた箪笥があって、その引出しの香りを嗅がせてもらいました。今でも韓薬の香りがして、感動。




↑柱が白くなっているのは、塩化したため。なぜ塩化したのかと言うと、建物を建てた時に、石と柱の間に塩と唐辛子の粉と他に何か(失念)を混ぜて、塗ったから。害虫や湿気から柱を守るため。
昔の人の知恵ですね。

加えて、柱の内側が低くなっているのは、力学的に重い屋根を支えるためだそう。


オーナーとのお話の中で、一番印象的だったのが、この北村宅が代々行ってきたこと。安い小作料で小作人の負担を減らし、洪水災害の際には私財で周囲の人を助けてきたそう。

これはここの建物の造りにも反映されていて、




↑例えば、写真中央に台所があるのですが、扉はないのです。冬はとても寒かったそう。なぜ扉をつけないかと言うと、お腹を空かせてきた村の人たちが、いつでもここに来てご飯を食べることができるように、と「開かれている」台所を意識して作られたそう。

写真はないけれど、トイレも同様。村の人がいつでも使えるようにと、外側からでも入れるような作りになっていました。

まさに、noblesse obligeの態度だな、とオーナーの話を聞きながら思いました。社会的地位の保持には責任が伴うのです。上に立つには、下の者の面倒をよく見て、下の者の責任をとる。


私は、この態度の根本に、儒教の教えをヒシヒシと感じました。儒教とは、徳を備えて、社会はいかにあるべきか、社会をどう作るべきか、という社会倫理を考える思想。まさに、ここの家が両班としてしてきたことだなぁと。ここ北村宅で、この真髄を見た気がします。

そして、ここで感じた美しさは、まさにこの高度な儒教倫理の実践から滲みでるものなんだなと、よくわかりました。ほんとうに、良くわかった、これは学んで実践する人ではないと作ることができない雰囲気なんだと。


代々のオーナーは「いかにまじめに生きるべき」か、をまじめに実践してきた人たちでした。そのままの自然を愛し、自分に責任をもって他人を愛した人たち。


最後は、オーナーと一緒に写真撮影をして、お別れ。また来ることを約束しました。本当に貴重な時間を過ごすことが出来て、胸がいっぱい。素敵な誕生日記念になりました。


最後に、実は去年あたりに、ボヤ騒ぎがあった北村宅。一般観光客がタバコをポイ捨てしたそう。それ以来、一般観光客は立ち入り禁止に。「我々韓国人の意識はまだまだその程度なんです」と語るオーナーの言葉の端から、失意の念を感じました。

今はもちろん、予約をすれば泊まることができます。ドンちゃんは電話で予約し、宿泊費は銀行に振り込んだそう。私たちの部屋は一泊1人当たり1万円でした。


今度は春に行きたいな。



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